リクルーティング・パートナーズの採用マーケティングツール「オウンドメーカー(OwnedMaker)」は、おかげさまで2023年8月8日をもってリリースから3周年を迎えました!
システム開発経験ゼロだった私たちリクパーが、なぜあえて自前の採用マーケティングツールの開発に踏み切ったのか。根底にある想いや今後の展望についてお話いたします。
◆プロダクト開発前夜……採用市場大変革の兆し
さかのぼること2018年、春。
その頃の採用活動といえば未だ求人広告(web・紙面)への掲載が主流。当時リクパーの主な役目は九州沖縄の企業様のタイミングとニーズに合わせた適切な媒体提案と磨き込まれた広告表現でお客様の採用活動をサポートすることでした。
一方で、少子高齢化や雇用流動化といった外部環境の変化が加速していることに加えて、求人特化型検索エンジン(求人アグリゲーションサイト)=Indeedの日本進出、その他新興のwebサービスの台頭など……仕事探しのあり方が劇的に変わることが予見された時代でもありました。
来たるべき時代の流れに九州沖縄のお客様が取り残されることのないよう、テクノロジーやシステムの力でお客様の求人の露出を増やす必要がある、と私たちは考えたのです。
それが、採用マーケティングシステム独自開発の出発点でした。
◆開発は難航…どころかまず船がないし漕ぐ人もいない
「自分たちでシステムをつくろう!」
と言うは易し、行うは難し。
オウンドメーカーの構想からβ版リリースに至るまでは、想像を絶する長い旅路でした……。
まず、当時のリクパーに技術力は皆無。1人目のエンジニアを採用することから始めました。
「開発経験ゼロ、エンジニアゼロの会社で自社サービス開発プロジェクトに挑戦します!!何をつくるのかすら決まっていませんが、九州沖縄の地場中小企業のために脳みそも体もドロドロに溶けるまで一緒にやり抜きましょう!!」
……今考えても、こんな怪しい求人に応募する人なんていませんよね……と思いきや、奇跡的に、いたのです!飛んで火にいる夏のむs…いや優秀なエンジニアが!
情報工学系の大学院を卒業後、なんとなくふわふわとゲームのデバッグ業務やコールセンターを転々としていたというS君。実務経験こそないものの可能性の塊のような彼を半ば強引に口説くことで、なんとかプロジェクトチームの立ち上げにこぎつけました。彼なくして、リクパーのオウンドメーカーは生まれていません!(身内話で恐縮ですが、この場を借りてS君に改めて感謝したいと思います。いつもありがとう、これからも一緒によろしくね、S君!)
そんなS君のジョイン後、一人、また一人と社内外のエンジニアやデザイナー、プロダクトマネージャーが関わりながら、なんとか開発をスタートさせることができました。
リクパー史上初の新規プロダクト開発と事業開発に同時に挑んだ、難しくも面白い、ダイナミックな1年間でした。
◆開発初期から変わらぬ開発思想
インターネットという大海原の中で九州沖縄の企業様の求人を見つけてもらうために、どのようなプロダクトが必要なのか?求人検索エンジンのアルゴリズムに関する仮説を立てながら、要件定義から一歩ずつ進める毎日。
とはいえ、採用集客ツールや採用活動を効率化するツールは雨後のタケノコのように次から次へリリースされ、HR-Tech市場はすでに飽和状態。
「他とどう違うの?」という問いに右往左往することのないよう、開発にあたっては3つの開発思想を打ち立てて荒波を漕ぎ進めておりました。
●応募効果にこだわる。
…Indeedをはじめとした求人検索エンジンへの連携を強化し、求人の拡散機能を担保する。●九州沖縄の企業様にとってのUI/UXにこだわる。
…ローカルエリアの採用担当者は兼務で忙しい&パソコンに強くないこともしばしば。そんな皆さんにとっても使いやすいように、機能や操作はできる限りシンプルにそぎ落とす。カッコいいだけで使いにくいのが一番ダサイ。●九州沖縄のお客様と一緒に育てる。
…基本機能は無料開放とし、九州沖縄の採用ご担当者様に気軽に触ってもらう。気軽に改善要望を出してもらい、出た要望にはできる限りこたえる。
2020年8月8日にβ版をリリースして以降、問い合わせ窓口や弊社の営業担当を通じてほんとうに多くのお問い合わせや改善要望をいただきました(ありがとうございます!)。
その度に細かな改善から大きな機能追加までまるで我が子のように大切に育て、2021年8月には第三者機関による脆弱性診断も行いセキュリティ対策を大幅に強化。個人情報を扱うシステムとしての精度をより高めながら、ようやく現在のプロダクトのかたちにたどり着いたのです。
オウンドメーカーは2023年8月時点で約2000アカウント・常時約3万件のアクティブ求人をサポートさせていただくほどに成長しました。これもひとえに、日々の採用活動においてご活用くださり、共に育ててくださる九州沖縄の企業様のおかげです。
また2022年以降は国や自治体から域内求人サイトと連携できないかという相談も増え、実際にいくつかの自治体ではオウンドメーカーを活用した雇用創出の仕組みを共同運営させていただいております。
<実装例(長崎県様)>
このようにオウンドメーカーを通じてさまざまな角度から九州沖縄の域内採用/就職転職のお手伝いをさせていただいていることは、この地に根差し地場企業の力になりたいと願う私たちの小さな誇りでもあります。
◆オウンドメーカーの今後の展開について
リリースして3年。コロナ禍の影響もあり、とてつもないスピードでOMO(Online Merges with Offline)に拍車がかかっている昨今、九州沖縄の企業様からよく聞くようになったのは「今までやっていたことを全部やっても、それでも採用できない」という痛切なお悩みです。
いよいよ採用市場の大転換が佳境に入り、既存の採用手法だけでは(特にローカルの中小企業は)勝ち筋が見えない時代に突入したな、と身をもって感じます。
今や求職者にとって、転職サービスは求人メディアだけでなはなく無数に存在しています。顕在求職者層だけではなくすべての人がいつかは転職するかもしれない「潜在求職者層」であるともいえるのです。
そこでオウンドメーカーは今までの基本的な機能は維持しながらも、認知獲得~応募に至る採用プロセスを一貫してサポートする新サービス「OM Manager」を提供することといたしました!
第一弾として、Web広告を活用し、潜在求職者層への認知拡大をサポートするための機能として「採用ランディングページ作成機能」を開放いたします。
これまでの基本的な求人作成~応募者管理機能は引き続き無料で使っていただきつつ、採用集客・広報をさらに強化するためのサービスとして利用していただくことができます。
九州沖縄はこれからいよいよ本格的な人材確保難時代に突入します。
難易度の高い課題を共に戦いぬく相棒として私たちを選んでいただきたい。
そのためにも、技術に魂を込めながら採用パートナーとしての役割を果たしていきたいと、決意を新たにしています。