HR-ManagementからHR-Attracting®へ。事業ドメイン刷新に込めた想いとは。

リクルーティング・パートナーズ(以下リクパー)は創業時より掲げてきた事業ドメイン「HRM(Human Resource Management)のワンストップソリューション」を2019年に刷新し、「HR-Attracting®」という言葉を新たに事業の中心に据えました。
このリニューアルの背景と、「Attracting」という言葉に込めた想いについてお話します。

■そもそも、HR-Managementとはなにか?

HRMとは、すべての企業が経営ビジョンを実現するために必要不可欠な人事・組織のマネジメント領域のこと。


経営(事業)戦略・IT(情報システム戦略)・営業(マーケティング)戦略・財務戦略といった事業活動に必要なの戦略活動を遂行するために、採用・制度設計・人材開発・組織活性といった一連の流れをデザインするのが人事戦略・人事マネジメントの役割です。

リクパーは「九州をもっと強く元気にしたい」という想いのもと、創業以来この「HRM(Human Resource Management/人材マネジメント)」を事業ドメインとしたワンストップサービスを展開。
小さい会社だからこそできる柔軟性を活かし、企業に対して採用支援のみならず研修・教育・組織コンサル・制度設計などを一気通貫で提供していました。

■採用市場におけるディスラプター(破壊的企業)の登場

採用市場の潮目があきらかに変化したのは2017年頃。
「Indeed=求人検索エンジン」というツールが圧倒的なユーザビリティを武器に瞬く間に市場に浸透し、ながらく求人メディア中心だったユーザーの選職行動があきらかに変わったことが肌感覚でも分かりました。
さらに2020年から世界中を覆ったコロナ禍により、社会情勢や人々のコミュニケーション様式そのものも大きく変化。
今までの採用手法だけではままならず、候補者との出会い方・むすばれ方がより複雑化・高度化したのがこの頃でした。

■組織におけるエントリーマネジメントの重要性が高まる

採用活動の複雑化・高度化に伴い、組織におけるエントリーマネジメントの重要性も必然的に高まっています。
エントリーマネジメントとは、人事戦略における”入口”=採用~入社後オンボーディング~戦力化までの一貫した取り組みのこと。
採用時点で自社にマッチした候補者であれば、その後の配属から人材開発・組織活性まで最小限のコストで自律自走し、事業を前へと進めてくれるでしょう。逆にミスマッチが生じていれば、その「合わない1人」のために組織全体の機動力が落ちてしまうリスクすらあります。
つまり、組織のほとんど全ての問題は採用にはじまり採用に終わると言っても過言ではないのです。

そのような背景から、私たちは長年行ってきた組織開発や研修といったサービスに区切りを打ち、採用支援に特化した事業展開を行うことを決めました。採用領域に焦点を絞ってお客様への価値提供を行うことが、「九州の企業をもっとつよく・元気にする」という創業の原点に立ち返ることでもあると判断したのです。

■市場の変化に即した採用活動支援をどのように定義するか?

このような経緯を踏まえ、リクパーが今後提供する採用支援事業の核となる言葉を再定義しようと動き出したのが2019年のこと。
たとえば今の採用活動の在り方を率直に表している言葉の一つが「Talent Aquisition(人材獲得)」。アメリカで90年代後半から一般化したこの言葉は、もともとマーケティングの用語として一般的だったAquisition(獲得・取得)という考え方をヒト(とりわけ”Talent=有能な人材”)に適用しています。
しかし、「獲得」という言葉はどうしてもリクパーとしては使いたくありませんでした。その言葉からは採用/転職活動にかかわる人たちの意志や選択、あるいは人生の悲喜こもごもが抜き取られ、あたかも簡単に移動可能なモノであるかのようにも感じ取られてしまうからです。
言うまでもないことかもしれませんが、人は企業から獲得されることによってではなく、自分自身の意志と選択によって入社を決めます。そこには企業と候補者、双方のダイナミックな気持ちの変化が伴うのです。

こうした採用/転職活動における心の動きをないがしろにしない採用支援のあり方とは……
などなど頭をひねって考え抜いた結果、「HR-A(HR-Attracting)」という言葉が生まれました。

Attractingとは「惹きつける・魅了する」という意味。
企業の魅力的な部分を見つけ出し、磨き上げて候補者に届けることで、「なんかいいところかも」と思ってもらい、自然とその会社に惹きつけられていく……
企業・候補者のポジティブな変化に寄り添う採用活動を実現したい。そんな想いをこの言葉に込めたつもりです。

■HRMからHR-Aへ。事業ドメインが変わっても変わらないこと。

Indeedにとどまらず、これから先も時代の変化に応じて様々な採用手法が生み出され、市場の覇権を握るでしょう。その度に企業は採用の戦略を変え、戦術を変え、あの手この手で候補者探しの旅を続けなければなりません。
一方で、採用活動の原理原則は今も昔もあまり変わっていない、とも感じます。
かの有名なコラムニスト・天野祐吉さんの言葉を借りれば
「いい人に会えれば、うれしい」(1991年刊行『求人広告半世紀』帯文より)。
候補者からすれば「いい企業に会えれば、うれしい」とも言えるかもしれません。いずれの立場であっても、採用/転職活動において大切なのは、この「うれしい」という心の動きではないでしょうか。

戦略や手法は時代に応じてしなやかに変える。でも「企業と候補者が心惹かれ合う出会い」をサポートすること自体は変えることなく、むしろ磨き上げていきたい。
事業ドメインのリニューアルを経て、リクパーが会社として貫きたい想いを改めて言葉にしてみました。
この言葉が嘘にならぬよう、事業やサービスひとつひとつに「HR-A」の魂を宿していかねばと、身の引き締まる思いです。

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